高耐久な住宅部材でメンテナンスコストを低減
注文住宅を建てる上で、高耐久の部材を使うことで長期のランニングコストを下げる方針(初期費用が少し増えてもトータルコストは低減させる)。足場をかけるとメンテナンス費用が跳ね上がるので、高所の部材は良いものを選択した。
例えば、屋根の構造は上から屋根材(瓦やガルバリウム)、屋根下葺材、野地板、垂木などの構造材の順番で構成される。
以下の耐用年数はメーカーマニュアルや屋根屋のブログを参照した。
屋根材は意匠面と耐久性から瓦を選択した。
- 瓦が50-100年
- ガルバリウム鋼板が25-35年の耐用年数
屋根下葺材は価格と性能、実績から田島ルーフィングのニューライナールーフィングを選択した。メーカーは安全値をもたせているだろうから、メーカー保証のだいたい1.5〜2倍ぐらいは耐久性があるだろう。
- 工務店の標準がP-EX+で20-30年(メーカー保証なし)
- ニューライナールーフィング(30年メーカー保証)
- マスタールーフィング(60年メーカー保証)

野地板は構造合板なので、屋根下葺材や適切な小屋裏換気などの環境によるところがあるが、30-40年ぐらいはもつようだ。
また、雨樋も塩ビやガルバリウム鋼板製がある。工務店の標準がPanasonicなので、高耐久性の製品と伊礼さんが開発に関与したタニタハウジングウェアのガルバリウム鋼板の製品で比較検討した。デザインにそれほど差を感じなかったのと、費用や耐久性の面でサーフェスケア FS-Ⅰを選択した。縦樋も同様にS30を選択。
その他、各部材は以下のようなものを選択している。
- 破風、鼻隠しに貼るサイディング:14mm標準だったものを16mmに変更
- 破風、鼻隠しの塗装:関西ペイントの「アレスダイナミックTOP」(15年)
- シーリング:プラチナシール(15年メーカ保証)
- そとん壁:50年
- 透湿防水シート:タイベック(20年メーカ保証)
根切/砕石地業/防湿シートの施工内容
遣り方、根切、砕石地業を行ってから防湿シートを施工してもらった。土をスキ取って、砕石で押し固めた後に防湿シートを貼るのだが、防湿シートは防蟻も兼ねてターミダンシートを指定。
6月になってイエシロアリの羽アリをよく見る。近所に空き家もたくさんあるので、標準の防腐・防蟻処理に追加してターミダントシートによるシロアリ対策をすることにした。
防湿シートは地中からの湿気を防ぐものだが、シロアリは地中から来るので、ターミダンシートのピレスロイド系ビフェントリンという殺虫剤がシロアリを倒す。シロアリに対する忌避性もあるため、寄せ付けない効果もある。


現場監督さんによると、いつも使っている防湿シートよりも丈夫らしく、あまり破けないらしい。鉄筋が当たると破けるところもあるので、そこはテープで塞ぐ。

気密性能のすり合わせ
選んだ工務店の標準工法は耐力面材を使わず、筋かいで外壁を作る工法をとっている。壁の気密をどこで取るのかを確認すると、要するにこういう構造だった。
室内>クロス>石膏ボード>不織布>セルロースファイバー>透湿防水シート>洞縁>ラス板>そとん壁
防湿気密層が無い。聞いた感じだとC値は平均して2ぐらいらしく、気密は力を入れていないというか、自然乾燥木材といった「動く木」を使っているのでなかなか難しいところもありそう。気密は結露にも影響するので、壁内結露について確認したら「過去に建てたもので内部結露は起きていない」と実績を言っていた。省エネ基準地域区分が7の松山市なので、冬もそこそこ暖かいことが関係しているのだろう。
設計士さんからは結露計算の結果が送られてきたけど、送られてきた結露計算シートは住宅性能評価・表示協会のフォーマットで、室内温度や湿度を変更できない(室温15度、湿度60%固定)。また、外気温も最も寒い月の平均的な最低温度(松山だと6度、湿度70%固定)になっている。
結露計算をするのが一番手っ取り早いので、施主側でも計算してみた。さすがに室温15度では寒すぎるので、これぐらいで過ごすかなと思う気温24度、湿度50%に変更。外気温も寒くなるケースを想定して−2度、湿度10%に変更した。また、夏は石膏ボード側で結露が起きる可能性があるため、今年の最高気温で計算した。
シビアなコンディションを想定しているため、結露が起きていたとしても日中気温が上がったり外出で室温が下がったりするので、そのうちに乾くとは思う。寒波が来た時や私のように温かく加湿するような生活習慣によっては結露リスクがあるという結果になった。
松山の場合、夏型結露のリスクも高く、ポリエチレンの防湿気密シートを張ると石膏ボード側での結露リスクがあるという結果だった。
これらの計算結果から可変透湿気密シートを貼るのがいいだろうと設計士さんに伝えたところ、デュポンのVCLスマートをお勧めされたので、このシートを張ってもらうことにした。設計士さんが言うには、透湿防水シートは同じデュポンのタイベックを使っていて、長期耐久性が良い。他メーカーのは経年でボロボロになりやすいので、デュポンが良いらしい。
耐力面材を使えば、ボード気密よりも比較的容易に気密がとれると思うのだが、合板などは極力使わないという会社の方針があるらしく、筋かいで外壁を作る工法にこだわりがあるそうだ。
いつもはC値が2ぐらいの工務店なので、気密測定もすることで現場での品質確認をすることにした。現場でみんなで漏気を確認すれば、そこそこ気密もとれるでしょう。省令準防火構造、シート気密、中間および完成時2回の気密測定実施を設計仕様とした。
余談:
ボード気密とシート気密の他に気密が取れないかなと探したところ、タイベックで気密を取っている工務店があった。しかも低い値を出している。すごい。
断熱性能の仕様決め-外皮性能計算
標準仕様の構造が分かってきた段階で、外皮性能計算を行って断熱性能の仕様を決めた。建築士さんは専用ソフトで外皮性能計算をしていたが、Webサービスでも計算できるので、施主でもある程度の断熱仕様が分かっていれば手元で計算ができる。
どの程度を狙っていけばいいかは、デコス社のFAQにあった資料を参考にした。
日経アーキテクチャNo.1224 2022年9月22日:断熱等級7に挑む
外皮性能計算のWebサービスは窓サッシがYKK APなので、YKK APのサービスを利用。
天井、壁、床、基礎、窓や玄関ドアの数値を入れていくと、各断面の熱抵抗/熱貫流率が表示される。
床は大引間断熱のため、大引の木材が全体の15%が熱橋になるので、床の断熱材を標準から強化(60mmから75mmに増強)してもらった。
玄関ドアはYKK APの引き戸で断熱性能が低く(2.91W/m2K)バランスが悪かったのだが、建築士さんからユダ木工の引き戸(1.94W/m2K)を紹介してもらい、断熱性能が上がり、木製ドアのため意匠性も良くなった。
窓はAPW330が標準仕様なので、アルゴンガス入り・樹脂スペンサーを指定した(防火窓の部分はアルミスペンサー)。
天井点検口は、天井面のセルロースファイバーの性能が6.25 m2k/wなので、断熱性能が6.25 m2k/wのSPC-S4545BH3を指定した。
床下点検口は床下のスタイロエースの性能が0.38 w/m2kなので、断熱性能が0.34 w/m2kのSPF-R60F15-BC2を指定した。
ルフロ掃除用の床下点検口は断熱面から外れているので、断熱性能は不要、標準型を指定。
玄関とユニットバス部分は基礎断熱になるので、スタイロエースを50mm立ち上げ部と底盤部にも設置。
最終的に建築士さんに計算してもらった結果がHEAT20 G2 UA値0.42(サッシを試験値にするとUA値0.39)で断熱仕様は確定。
設備の仕様決め-ショールーム巡り
ショールームで設備の仕様を決め。
工務店の標準仕様を選ぶと値引きが深いので、工務店が標準仕様を設定している各メーカーのショールームに予約して見てきました。工務店の担当営業さんも同行するみたいな話もあったが、日程調整するのも面倒なのでご遠慮した。
営業さんによると、数年前に各メーカー同じ金額で標準仕様を決めたけど、ここ数年の値上げで今となっては費用がまったく異なる。TOTO<LIXIL<クリナップ=タカラスタンダードの順番で費用が高い。ステンレスやホーローは原材料や製造時に必要な電気代が上がっているからだろうか。キッチンの感想は以下のような感じ。
- TOTOはデザインを売りにしているが、かっこいい人工大理石は上位機種のみ。木質キャビネットなので、長期の耐久性が不安。
- LIXILはデザインも装備もバランスが良い。ミーレ食洗機を選ぼうとすると標準仕様とは別モデルになるので高額になる。
- クリナップはステンレスなので長期の耐久性が期待できる。ミーレ食洗機が選べたりオプションの幅は広い。水栓など社外品が多いらしいので、価格高騰の影響を受けやすくなっているかも。
- タカラスタンダードはホーローなので長期の耐久性が期待できる。ボッシュ食洗機が選べる。打ち合わせ後も価格改定があり、価格高騰がすごい印象。
クリナップとタカラスタンダードで迷ったが、タカラスタンダードのステンレス鋼は比較的グレードが低いのと、ミーレ食洗機の方が長持ちしそうという印象でクリナップに決めた。
ステンレス鋼の比較:
SUS304とSUS430の違い - 金属加工のワンポイント講座|メタルスピード
【番号の違い】SUS 304や430の違いとは?!(株)三和鍍金
トイレはTOTOとLIXILが標準だった。トイレはTOTOでしょうということで、TOTOを選択。タンクレスなどデザインの良いものは標準仕様から外れていた。価格差を聞いて素直に標準仕様のモデルにした。
洗面台はデザインが気に入ったので、同じくTOTOのオクターブで決定。
ユニットバスはTOTOのサザナが床に赤カビが発生しやすいという話を聞いたので、LIXILと少しだけ迷って、暖かくて柔らかい床が良いと思ったのでTOTOで決定。
詳細設計ではじめに依頼した内容
外観と間取りが決まったら、詳細な仕様の相談が始まる。モデルハウスの仕様書を見せてもらい、以下のような項目があった。1つ1つ精査して仕様を決めていく。
- 柱の太さなど構造
- 防蟻処理
- 給排水
- 電気
- 断熱材
- 外部仕様(基礎、屋根、外壁、樋、軒天、破風、鼻隠、ポーチ、板金、玄関、窓など)
- 内装仕上げ(壁材、床材)
- 設備(キッチン、トイレ、洗面台)
標準仕様はあるので、変更したいところに注文つける。はじめに変更した箇所は以下の部分。全て対応可能との回答だったが、省令準耐火構造にするのにあたり、石膏ボードを柱に直張りするため、動きが出てしまう柱の一部と横架材は自然乾燥木材ではなく、機械で乾燥させる人工乾燥木材(動かない木材)を利用する必要があるらしい。
また、過去の施工経験で外壁面にセルロースファイバーがぱんぱんに入るので、省令準耐火にすると石膏ボードを内壁に張れないことがあったらしい。ネットで事例を探すと胴縁を壁の上ではなく壁の中に入れて対策している大工さんのブログがあった。建築士さんに紹介したところ、これでいけそうだとの回答。
- 準防火地域だが、準防火対応に加えて省令準耐火仕様にすること。準拠するための初期費用はかかるが、火災保険が半額になるので長い目で見ると元が取れるし、コストメリットが出る。
- 断熱材の追加。壁の断熱材は柱の太さに制限されるためセルロースファイバー105mm固定で増やせない。天井断熱はセルロースファイバー250mmに増強。床断熱はスタイロエースを60mmから75mmへ増強。ユニットバス部分は基礎断熱との説明で、立ち上がり部分にスタイロエース50mmだったので、底盤部折り返し部分も50mmを追加してL型にしてもらった。
- 軒天はモデルハウス見学した時に目を引いたニチハ 軒天12 木目調を指定。
- 外壁は長期のメンテナンスコストを重視してそとん壁。
- 太陽光発電は5kWを載せる。
- 給湯は長期のランニングコストを重視してエコキュート、460Lモデル。
- 基礎の防湿シートはダーミダンシートを使う。
- 換気はダクト排気式の第3種換気、ルフロを使う。

